かわいひでとし日記
思うこと、こころもち、脳内風景

2015.11.27         小津、黒澤、山田

 

山田洋次さんがインタビューで、とても面白い話をしていたのを覚えている。

山田監督が松竹に入社したばかりの頃、

松竹では小津監督が、東宝では黒澤監督が映画を作っていた。



山田さんは、すごいなぁ、と、黒澤監督にあこがれていたのだそうだ。

カメラワークとか脚本とか、色々な面で、とても惹かれていたのだとか。



それにひきかえ、我が社の小津監督ときたら、、、、。

カメラは置いたまま動かない、

ストーリーは、何も起こらない、

起こってもせいぜい娘が嫁に行くくらいのものだ、と。



しかし、自分が映画を監督する様になり、年齢を重ねていくにつれ、

小津監督の凄さが身にしみたという話だった。



ある日、山田さんが黒澤明監督の家に遊びに行ったとき、

「こんにちわー、山田です」と玄関で声をかけると、

二階から黒澤監督が、「おー、上がってこい」と。

2階に上がっていくと、黒澤監督がじーーーーっとビデオを観ていたのだそうだ。

何を観ているのかと思ったら、「東京物語」だったかな?、とにかく、

小津監督の映画を観ていたのだそうだ。



黒澤さんも、こういう映画を作りたいんだなぁ、と、思った、

山田洋次さんが、インタビューで、そんな話をされていたのだった。



若い頃の、小津監督をけなすところの話が笑えるのだった。

カメラは置いたまま、

ストーリーはせいぜい娘が嫁に行くくらいのもの、と。

 



自分は歌舞伎が好きなのだが、歌舞伎を観た事が無いという人から、

歌舞伎ってどんなの?と聞かれる事が有る。



どんなの?っつったってあんた、いろんなのだよ、と言うのだ。



どんなストーリーか、聞かれるのが一番困る。

歌舞伎のストーリーを説明するほど馬鹿馬鹿しい事は無いのだ。

ストーリーだけ説明しようものなら、「なんじゃそりゃ」と言われるだろう。



要するに、ストーリーなどどうでも良いのだ。

こういう演技を見せたい、だから、こういうストーリーにしよう、

というだけの事であって、ストーリーより演技が大事なのだ。



この、若いもんには解らん様な、味わいというのか、行間というのか、

そんなものが小津映画の良い所なのではないだろうか。



なので、小津映画を観て、良いと思ったらもう、

あなたは年寄りなのかもしれないのだ。

そうか、自分は10代の頃から年寄りだったのだなぁ、、、。

そういえば確かに、若いときからじじむさいものが好きだったのだった。

 



何も起こらない。

せいぜい娘が嫁に行くくらい。



人間の人生というのは、こういう事なのではないだろうか。

人間の幸せというのは、こういう事なのではないだろうか。


大宇宙を駆けめぐって、敵と戦い、

一人で何十人もの敵と戦って勝利したり、

マシンガンをぶっぱなし、派手にカーチェイスをしたり、

そんな事が人間では無いのだろうと思うのだ。


人間の幸せは小さいものなのだと思う。

人に話したら、「なんじゃそりゃ」と言われる様なものなのではないのだろうか。

 

世界一の映画に「東京物語」 英誌、各国の監督投票

羅生門』、最も優れたアジア映画100作品の2位に!邦画3作品がベスト10入り

 

東京物語 

ハリウッドと原節子

 


 


日記のトップへ戻る

かわいひでとしホームページ

Tweet to @kawaihidetoshi  

@kawaihidetoshi をフォロー
フォローしてね、一緒に考えましょう