納棺夫日記〔増補改訂版〕       青木 新門 著    文藝春秋

このHPを見てくれている方からメールで勧められた本です。
本を開いた途端、顔なじみのおっさんに出会った。
なんだ、吉村のおやじじゃねぇか、こんな所で会うとは奇遇だな。
吉村 昭さんが序文を書いていらっしゃるのでした。

環境破壊を論ずる時に、それじゃあいっそのことクルマも工場も無くして江戸時代に戻ったらどうだと言ったら、非現実的だと言われるだろう。
けれど、ものの本質というものは、理論でも科学でもなく、ましてや社会でも経済でも学歴でもない。今有るものを保持しながら物事を突き詰めてゆく事は出来ない。自分が築いたものを捨てるのが恐い現代人は、決して本質を見る事が無いのだろう。

この本は環境破壊について書いた本ではありません。
納棺夫とは、著者の造語で、死人をお棺に入れる作業をする人の事です。


「 ”きれいな青空のような瞳をした、すきとおった風のような人”。
自分は絶対になれないだけに憧れます。 」
この本を紹介して下さった方が、メールでこうおっしゃっていました。

何かを捨てる事が出来ればなれるんじゃないですか?

人間の価値って、
どれくらい捨てられるか、
どれくらい失敗するか、
どれくらい挫折するか、
そんな所に有るのかもしれませんね。


イヌ・ネコ・ネズミ 彼らはヒトとどう暮らしてきたか

              戸川 幸夫 著     中公新書

落語が好きな割には落語に関する知識が無いのだが、古典落語にも色々有って、聞きながらゲラゲラ笑うものと、笑う場面が殆ど無いものと有る。
その、笑わないほうの落語は笑わないからつまらないかというとそうではなくて、話の筋や話術、雰囲気などで引き込まれて興味深く聞いてしまう。
勿論、全然笑わないわけではなくて、時々「ふふっ」と笑う場面が出てくる。

この本はそういう落語を聞いている様な本でした。
話の興味深さに引き込まれてどんどん読みながら、時々「ふふっ」と笑ってしまう。
俺の場合は「ふふっ」ではなくて、膝を叩いてゲラゲラ笑ってしまった場面もたくさん有ったのだけれど、そういう場面はみんな動物のかわいらしさがおかしくてたまらない場面でした。
犬が食べ物を欲しくて「うまい」という言葉を喋った話など、おかしくておかしくてたまらなくなってしまった。

動物で笑うのは、人間とサルと犬だけだという話を聞いた事が有る。
いや、犬は笑わないよ、口元が笑っている様に見えるだけだ、という人がいるけれど、犬と一緒に暮らした事が有る人なら、確かに犬は笑うのを知っていると思う。

犬、猫、鼠の、興味深い話を、落語を聞く様な話術で楽しく読ませてくれる本です。
動物が大好きでたまらない人なら、「ふふっ」ではなくてゲラゲラ笑ってしまうかもしれません。


ヒトはなぜ助平になったか   戸川幸夫   講談社文庫

「ダカーポ」2001年6月6日号、
「我が生涯最高の一冊」という特集の中で、山本晋也監督が選んでいた本で、
その題名に惹かれ、山本監督の「トゥナイト」でのエッチレポートにはとても好感を持っていたもので、早速読む気になりました。


「恋愛」と「性欲」は違うものだと言う場合、「恋愛」は美しいもので、「性欲」は卑しいものだという思いが有る様ですね。
性欲は卑しいものでしょうか。

 ならば、「人間様」も「犬畜生」も「けだもの」も、皆一緒にしてしまった上で、もう一度原点からセックスについて考え直してみるのも良いかもしれませんよ。